百貨店の買い物袋が日本のパッケージ大賞をとった
日本パッケージデザイン大賞2027の大賞は、買い物袋だった。瓶でも、蓋に磁石の入った箱でも、限定の缶でもない。Japan Design Netが木曜日に結果を伝えた。日本パッケージデザイン協会が選んだ入賞作は33点、その頂点に大丸松坂屋百貨店のショッピングバッグ。千代田線でそれを読んで顔を上げたら、向かいの席の女性がまさにその袋を持っていた。
これで話は終わってもいい。百貨店の袋は、日本の都市でいちばん多く刷られ、いちばん多く持ち歩かれ、いちばん多く見られているグラフィックデザインだ。電車の中に、オフィスに、引き出しに畳まれて弁当用に使い回される。そして、贈られる。Spoon & Tamagoは受賞作を英語で紹介するとき、日本のパッケージの正直な歴史が必ず始まる場所、数百年の贈答の伝統から書き起こしている。袋は最後の包みであり、街を歩きながら持つ包みだ。そこに大賞を与えた審査員は、ふだん口に出さないことを言っている。パッケージとは棚の見え方ではなく、街の見え方だ、と。
同じ週、ロンドンも賞を出した。そのカテゴリーを見れば、まったく別の部屋だったことがわかる。Design Weekによれば、ロンドン・パッケージング・ウィークのイノベーション・アワードは、ラグジュアリーのエンジニアリング、日常の使いやすさ、構造の仕事を称えた。エンジニアリング、使いやすさ、構造。三つとも良い言葉だが、店の名前がきれいに組まれた紙袋を指す言葉はひとつもない。ロンドンが間違っているとは思わない。二つの審査員は二つの別の物を審査していて、日本のほうは街を審査していたのだと思う。
一方The Dielineは、買い物袋の対極にある三つの記事を載せていて、どれも好きだった。Aaraはインドのスパイス瓶を発見の場に変える。民俗画のようなイラスト、ラベルには発音ガイドと料理のヒント。味わう前に言葉を教えてくれる瓶だ。Nymphは蝉が地中で過ごす年月を、カンナビスの睡眠ドリンクの視覚言語にした。柔らかなサイケデリックの絵に、薬のような手がかり。そしてRedkenはコンセプト・リブランドで、角ばった形と処方箋めいたディテールを携えて研究室の起源に戻る。読まれたがっている三つのラベル。買い物袋はホームの向こうから見分けられたがっている。どちらもタイポグラフィで、組まれている距離が違うだけだ。
今週の一文はCreative Boomがアントワープで見つけた。WeWantMoreによる炭酸水BRUのリフレッシュについて、この記事は「棚での一秒の一瞥を、食卓の席と引き換えにした」と書き、一瞥のルールを「法律かと思うほどの決まり文句」と呼ぶ。銀座で受け取っていたブリーフでは、ほとんど法律だった。一秒を勝ち取るか、売上を失うか。BRUの瓶はその一秒を断って、食事を求める。大丸の袋も、袋なりに同じことをしている。袋を買う人はいない。もらって、それから一時間、ブランドをただで運ぶ。だからそのデザインは、運んでも嫌にならない程度に良くなければならない。
どの記事も書いていないことをひとつ足しておく。東京のことだからだ。百貨店の袋には格がある。靴下一足の普通の袋、贈り物用の、紐の持ち手がついた硬い袋、正月の季節柄の袋。人はその格に気づく。良い売り場の袋は、棚の瓶が決して語らないことを電車の中で語る。棚は私的で、電車はそうではないからだ。審査員が報いたのはそれだと思う。ロンドンのカテゴリーに言葉のない距離、車両の中の見知らぬ二人のあいだの距離で働くデザインに。
というわけで賞は紙に行き、私は賛成だ。来週のワイヤーはまた瓶と箱と、蓋に磁石の入った缶に戻るだろうし、私はそれも読む。良い缶は好きだ。でも帰り道に目に入るのは、袋のほうだ。
今週のワイヤーから
- 「日本パッケージデザイン大賞2027」結果発表!大賞は「大丸松坂屋百貨店 ショッピングバッグ」 Japan Design Net
- Winners of Japan’s 2027 Packaging Design Awards Spoon & Tamago
- London Packaging Week Innovation Awards 2026 Winners Named Design Week
- Aara Turns the Spice Jar Into an Invitation to Indian Cuisine The Dieline
- Nymph Turns the Cicada’s Long Sleep Into Cannabis Packaging The Dieline
- Redken Bottles Up Its Vintage Lab Roots The Dieline
- What this elegant redesign of a sparkling water brand teaches us about packaging in 2026 Creative Boom
荒川蓮は足立区の荒川沿いで育ち、銀座のデザイン事務所で5年間ロゴを引いたのち、字を詰めるより字について書くほうが面白いと気づいた。駅の看板、米袋、レシート——東京を一枚の組版として読む。神田の印刷所の二階でHakkenを編集している。